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石川県立小松高等学校 PR文
『大切なものは意外と近くに』
風を探してみんなでやってきたのは加賀・山代温泉。
温泉街を歩けば、風に乗ってお風呂の香りが漂ってくる。
うーん、なかなか落ち着く。まあ私はこの界隈に住んでいるので、いつもの事と言えばいつもの事なのだが。
と、思って暫し佇んでいると、きゃあきゃあはしゃいで友達が走って行ってしまった。
待たれよ諸君!そっちの道、逆!
荘厳な鳥居の前に立てば、奥まで続く長い石段。ここは服部神社。なんという段数そして傾斜!
勢いよく登ったはいいが、疲れて立ち止まってしまった。後ろを振り向けば、わお。
眼下に広がる見た事のない景色。友達が小さく見える。
歩き疲れて温泉に入りたくなった・・・。
友達がジモティー(地元民)から情報を得たのか、「足湯」へ行こうと言いだした。
よし、行きますか。
旅館に囲まれた隅に、あった。何年ぶりに来ただろう。
ヤタガラスの像から湧き出る源泉は昔と何も変わらない。たっぷり我が足を労ろう。と思ったが、
あっちぃ!何なんだこの熱さ!苦行!ほんの少しつけただけで、足が真っ赤だ!
そろそろお腹が空いてきた。甘いものが食べたいなぁ。勿論、先生の奢りで。
足湯の近くにお誂えむきの場所を発見。
「はづちを楽堂」
はづちを?はづちをってどういう意味?
天羽槌雄神(アメノハヅチヲノカミ)という機織りの神様に由来している、と茶店の店員さんが教えてくれた。ジモティーでも知らないことがあるんだ。
抹茶かき氷が熱い体にしみて、思わずふぅと息が漏れる。・・・ありがとう、先生のお財布。
楽堂には、記念撮影用であろう顔を出して写真を撮る類のパネルもあった。
俵を担いだ男の姿のそれには菖蒲湯祭り、と書いてある。
響き渡る祭囃子と威勢のいい掛け声。神輿が通った後を菖蒲の芳香が満たす。
立ち並ぶ屋台に色とりどりの浴衣――
おっと、ついつい妄想が。
先生が集合をかけている。そろそろ解散の時間だ。
じゃあねー、と言って皆が続々と先生の車に乗り込んでいく。きゃははきゃはは。皆の笑顔になんか自分まで嬉しくなった。遠ざかる車を、唯一ジモティーの私は手を振り見送る。車は右折し、見えなくなった。私は手を振り終え、帰路につく。
この街がちょっと輝いて見えた。