第七回民家の甲子園 審査員長賞 高知県立安芸桜ヶ丘高等学校

高知県立安芸桜ヶ丘高等学校 PR

 

高知県東部は、台風や雨風が多く、対策として『水切瓦』が使われています。

水切瓦とは横からの雨水を壁から逃がすためと意匠のための小さな瓦屋根のことです。東部地区は、古い街並みが残っており、土佐漆喰塗の白壁にこの水切瓦や黒板壁の色のコントラスト、形などうまく調和され、美しさを感じます。

今回、東部地区の吉良川町・奈半利町・田野町を訪れ、撮影しました。

吉良川町は町屋造が多く、商人や職人さんが多かったことが窺え、廻船業が盛んで特産物の備長炭を京阪神に移出していました。

奈半利町は、山内一豊が土佐入国の際に宿泊したお寺もある町です。捕鯨、製糸業などが栄え、今ある伝統的建造物の多くはこの時期に建てられています

田野町は領内巡視時の宿として使用された『岡御殿』をはじめ、多くの史跡があります。林産業、廻船業を行う豪商、問屋が軒を並べ、現在でも屋号と家業の呼び名がある家がたくさん残っています。

 このような歴史に触れ、伝統を継承していかなければならないという使命さえも感じました。また、四国八十八ヶ所巡りのお遍路さんに住居の一部を開放したり、休憩所を設けたり、『一期一会』の精神の『おもてなし』を感じられるのもこの東部地区ならではと思いました。

 

プロローグ ~ 光 ~

  障子窓から差し込むやわらかな光が、便所とは思えないお洒落な演出をしているようでした。今は使われていませんが、『雪隠』という名のように奥ゆかしく心地よい空間だったのではないでしょうか?

 

一期一会

  高知県東部には四国八十八ヶ所巡りをしているお遍路さんを『お接待』している民家がたくさんあります。地元の人たちの『おもてなしの心』に癒され、明くる日には元気に旅立っていく様子が目に浮かぶようです。

 

モノローグ ~ツシ窓~

  この建物は、もともとは蔵で現在は薬局の店舗に改装されています。町でよく見かける現代的な薬局とは違い、建物そのものに深い味わいがあります。まるで一つ目のようで、道行く人を見守り、何かを話しかけているようにも見えます。

 

トライアングル

  町を歩いていて、ふと目についた屋根の赤い色。空のブルーと瓦のグレーとほどよく調和していて綺麗だなと思いました。赤い色はベンガラでしょうか?初めて見ました。どんな人が住んでいるのでしょうか?

 

エピローグ ~ゆるやかな時間~

  町ののどかなひととき・・・。ブロック塀につながって、風雨の強い東部地区に多く見られる、石黒を配した塀に伝統を感じます。

  ゆるやか時の流れの中に自分がネコになった感覚に落ち入りました。