第七回民家の甲子園 特別賞 香川県立坂出高等学校

香川県立坂出高等学校 PR文

 

 私たちが撮影場所に選んだのは、瀬戸内海に浮かぶ岩黒島(いわくろじま)。人口は約八十人、周囲約一.六㎞。瀬戸大橋の袂にある、とても小さな島です。

私たちは、人と民家の絆というテーマで、一軒の家と、そこに住むおばあちゃんの一日を撮らせてもらいました。

 

 一枚目『迎―ようきたなぁ―』。引き戸を開けると、そこは大理石でできた玄関。声を掛けると、おばあちゃんが笑顔で、「よう来たなぁ。」と迎えてくれました。家の顔とも言える玄関には、入った人をほっとさせるような、あたたかな空気が流れていました。

 

二枚目『実―つながるいのち―』。裏口から外に出てみると、目に入ったのは、大きくてまあるいたまねぎ。毎年、収穫後にこうして竹ざおに干しているのだそうです。

 

三枚目『伝―てからてへ―』。始まったのは、昔ながらの「よしもち」作り。よしもちは、白玉粉を練ったものにあんこを包み、よしの葉で巻いて蒸したおやつです。手伝いに来ていたお孫さんは、葉を巻く作業に悪戦苦闘。その姿をみて、そっと手を差し伸べるおばあちゃん。“伝統”という大切な【光】は、こうして、これからの未来に受け継がれていっているのだと思いました。 

 

四枚目『絆―ここにあるしあわせ―』。出来上がった「よしもち」と、この島でよく飲まれている、冷たい毒消し茶でおやつタイム。長年使い込まれた濡縁(ぬれえん)で、午後のやわらかな日差しと、海からの心地よい潮風を浴びながら、ほっと一息です。おばあちゃんと大おばあちゃんの話を聞きながら、お互いを思いやる、やさしい心を感じました。

 

五枚目『路―かわらないもの―』。独特の風合いの出たわらの籠と、その向こうに広がる青空。この島には、自然と、毎日続けられる人の営みがありました。何もかもが新しく変わっていく中で、変わるのではなく、新しい世代に“受け継がれていく”ものが確かにあることを、感じることができた一日でした。

第七回民家の甲子園 特別賞 滋賀県立八幡商業高等学校

滋賀県立八幡商業高等学校 PR文

 

私たちは民家を中心に、光、人をテーマで写真を撮りました。

それぞれがテーマに沿った写真を撮り、自分なりの表現を出来たと満足しています。

それでは、一枚ずつ撮った本人達による紹介文を発表したいと思います。

 

最初の家族愛は、釣りに行く途中だった家族を撮影させてもらいました。

中央に写っている男の子は、こちらに向かって元気よく「いってきます!」と言っているかのように感じられます。

題の家族愛にふさわしい1枚です。

 

2枚目の夏のひとこまは、草むらが広がる中を歩いていました。そこにはポツポツと一軒家が立ち並び、そのどれもが木造で、その中のある一軒の前に、二輪の見知らぬ黄色い花が咲いていました。

黄色い花は、何枚もの花びらを広げ、まるで太陽のように丸く輝いて見えました。

 

3枚目の茜空は、八幡商業高校写真部の部室の窓から見える夕日です。

八幡山に沈む美しい夕日は1日の終わりを告げてるようで、少し切ない気持ちにさせられます。

また、夕日は人の心を和ませてくれる不思議な力があると思い、1枚の写真におさめました。

 

4枚目の一本道は、沖島の草原の中に1本道を見つけました。

そこには、虫取りをして帰ってきた仲の良さそうな親子の後姿がありました。

 

最後の写真は、沖島のおじいちゃんおばあちゃんの家です。

突然のお願いにも関わらず、快く引き受けてくださいました。

ここのおじいちゃんおばあちゃんはとても優しい人で、人情味が溢れていました。

飾り気のないありのままのこの家の良さを感じられる作品です。

 

個人でとった写真を集め、改めてじっくり見てみると、それぞれの個性が出ていました。しかし、田舎の中にある温かい雰囲気はどれも感じられました。

大会の為に、と撮った写真でしたが、それぞれが良い物を撮ろうと一生懸命になり、納得できるものを作品に出来たと思います。

 

 

第七回民家の甲子園 特別賞 香川県立多度津高等学校

香川県立多度津高等学校 PR文

 

建物を活かし、文化を生かす。

   …登録有形文化財建造物の実測調査

 

●多度津の町は、古くから海上交通の要所の港町として、また明治22年には讃岐鉄道が開業して四国鉄道の起点として栄えました。そんな多度津の町を桃陵公園から見下ろすと、町並みと同化するようにJRの鉄道工場があります。旧国鉄多度津工場(工機部)です。町民には「こうきぶ」と呼ばれて親しまれ、年に一度、工場内が開放される「きしゃぽっぽまつり」には子どもからおとなまで多くの町民でにぎわいます。

●工場内には明治21年の建物をはじめ、昭和一桁から20年代までの歴史ある建物が多く残っています。しかもいまなお全部が現役です。町の中心部に広い面積を占めている工場には、昭和20年代の最盛期には2000人をこえる職員がいたそうです。まさに鉄道工場城下町です。近代の多度津の町の歴史と文化は、工場とともに歩んできたといってもいいでしょう。

●今年になって、登録有形文化財登録の資料として建物の平面図が必要ということで、香川県から建物実測の依頼があり、建築を学んでいる私たちが卒業研究のテーマとして実測と図面化をひきうけることになりました。

●実測を始めたものの、広い工場の敷地のなかに対象の建物が7棟もあり、しかも規模の大きい建物ばかり…測量器具を持って工場内を歩き回ってもなかなか作業が進まずに大変でしたが、とてもいい勉強になりました。なかでも、今は食堂として使われている建物は、かつては海軍戦闘機の格納庫だったのを移築したもので、若いパイロットたちがこの建物から出撃していったのかと想像すると、複雑な思いで実測をしました。

●私たちのまわりには、残してゆきたい風景や町並みがたくさんあります。地域に親しまれている建物や、時代の特色をよく表した建物、ふたたび作ることができない建物はかけがえのない文化財です。今回の実測調査で少しでも協力できたことに満足しています。