第七回民家の甲子園 町並み賞 愛知県立半田工業高等学校

愛知県立半田工業高等学校 PR

 

 地元半田市で二代にわたって鋳造、機械加工を営む山田さんの木造工場が解体されることになりました。私たち写真部は、そこで生活してきた主人にお会いし、約七十年の歴史ある産業遺産を記憶に留めようと撮影会を実施しました。3工場すべてが木造建築で大変趣ある建物ですが、保存には耐震工事などに多額の費用が予想されるため、解体する方針を決めたそうです。

 

一、当時、一日の始まりはこの配電盤でした。鋳造から機械加工まで各動力の源は、このナイフスイッチを入れることから仕事が始まりました。朝、七時頃この配電盤に朝日が差し今日の始まりを感じました。

 

二、主人は、約四十年前、山車の車輪の設計図を見て正面旋盤で機械加工をしたそうです。約七十年の歴史に幕を閉じた工場の中で、思い出を語る山田さんです。

 

三、この写真は機械工場の重要な役割をもつ平ベルト車です。日が差し、光り輝くような平ベルト車を初めて目にしました。

 昭和三十年代は、モーターからの動力伝達を平ベルトを介してこの「平ベルト車」がよく使われていたと教えていただきました。

 

四、自宅隣にある木型置場は洗濯物が干してあり、毎日の生活の一部でした。窓の向こうには、数十年前の仕事ぶりが見えてくるのではないでしょうか。

 

五、この機械加工工場は、数十年前に操業停止しました。その日からか機械だけが残り、この場所を使う人はいません。今は、猫の住処になりました。

 私たちは、この鋳造・機械加工工場の撮影をきっかけに、「失われるものを写真という形で」残したい気持ちが生まれてきました。