第九回民家の甲子園 町並み賞 石川県立飯田高等学校

石川県立飯田高等学校 PR文(PR文大賞受賞)

 

 この大会の話が舞い込んできたときに、私たちは途方に暮れた。この珠洲に魅力ある建物や歴史ある町並みがあることをまったく知らなかったからだ。しかし、部活動の仲間や家族、とりわけ祖父母が、珠洲ならではの暮らしがあると教えてくれたことが、今回の撮影の基本方針となった。不安はあったが、私たちを後押しするように咲き誇る桜に助けられて、撮影を進めた。

 撮影の日はいつも風が強く、雨が降っていた。移り変わる天候や日光の具合との戦いでもあった。しかし、たとえあられ混じりの冷たい雨が降っても、まるで気にせず農作業していた人たちを信じ、待ち望んだ光が降り注いだ時には大きな感動を受けた。自然を相手に働く人たちの感覚は天気予報よりもずっと正確で、揺るぎないことを知った。そんな風に珠洲ならではの暮らしを探す過程で、これまでただ通り過ぎて来ただけの景色や、挨拶を交わしてきただけの地域の人たちと、もう一度きちんと関わりながら撮影を行っていった。

 今回の活動全体を通して私たちが発見した珠洲の魅力。それは、人と自然、そして人と人との、独特の交わり方だった。自然と対立するのではなく、馴れ合うのでもない、「共生」するような人と自然との交わり方。そして、いつも当たり前のように挨拶をしてくれ、今回の活動の中でも撮影に良い場所や家の造り、歴史などを教えてくれた地域の人々から感じた、ただ純粋に相手に親切にするような人と人との交わり方。これが何よりの魅力だと感じた。

 この活動を行う前に、「自分の地元は買い物をする所も遊ぶ所もほとんどなくてなんてつまらないのだろう。」と思っていたことが恥ずかしくなった。私たちはこれまで目を向ければ簡単に分かる珠洲の魅力を見てこなかった。しかし、自分たちの五感を使い、写真に残すことで新たな視点・価値観でこの珠洲の魅力を再発見し、むしろ田舎であることを誇りに思うことが出来た。