第八回民家の甲子園 なごみ賞 静岡県立伊東高等学校城ヶ崎分校

静岡県立伊東高等学校城ヶ崎分校 PR文

 

 心から残したいと思う日本の原風景

 

今回私達が取材したのは、伊豆のほぼ中央部に位置する伊豆市天城湯ヶ島町の荒原(あれはら)という地区にある民家です。

荒原はその名の由来の通り、昔から山崩れや水害を受け続けてきました。山間部の斜面を扇状地のように、上から下へいくつもの水田が広がり、1999年7月農林水産省の認定で日本の棚田百選に選ばれています。

全国に見られる棚田と比較すると荒原の棚田は一枚の田んぼの面積も広く、農道も整備され、トラクターやコンバインなど農業機械による農作業が行われていて農業がやりやすい、という利点もあるそうです。しかし、農業従事者の高齢化や後継者不足から棚田の荒廃が懸念される、という点においては同じ悩みを抱えていると言えます。

伊豆半島の中央を流れる狩野川沿いの国道136号線を南下し、天城湯ヶ島町から県道、伊東西伊豆線の山道を登っていくと荒原地区が見えてきます。田植えを終えて、すでに50㎝程に成長した稲の緑が鮮やかに目に飛び込んできます。

この地区で唯一残った茅葺き屋根の民家は浅田家ですが、住民のほとんどが浅田姓であるため、各戸屋号を持って呼ばれているそうです。またこの地域は天城火山の溶岩流が形作った台地にのっていますが、長野川と向野川にはさまれ、水量も豊富で沢から引いた水は冷たく、農家ごとに自前のわさび田があります。

 水田を渡る風になびく若い稲の情緒、庭先で咲き誇る花、幾年もの風雪に耐えてきた茅葺きの苔の色合い、訪れる人を温かく迎えてくれそうな玄関のたたずまい。

ここには昔ながらの農村の風景がそのまま残っていて、棚田と、この地区で唯一残った茅葺き屋根の民家があいまって郷愁漂う雰囲気を醸し出しています。このような素晴らしい景観を有している荒原はまさに私たちが心から残したいと思う日本の原風景と言えるのではないでしょうか。