第八回民家の甲子園 特別賞 香川県立坂出商業高等学校

香川県立坂出商業高等学校 PR文

 

「ともラーメン」の秘密

 

私たち、坂出商業高等学校ジャーナル研究部は、市内にある「ともラーメン」に撮りに行ってきました。そのお店は、古い建物ですが、赤いのれんが印象的で、おばあちゃんがたった一人で、切り盛りしています。撮影をお願いすると、朝早くから快く協力してくれました。

 作品番号1 『伸』

 朝早く、お店にお邪魔してまず撮影したのは、麺を作る過程です。部屋も、面を伸ばす台や道具も、そしておばあちゃんの後姿も、長年の経験を積み重ねていて、威厳を感じました。

 作品番号2 『切』

 生地を切断するときに使う機械は、お店を始めた当時のままだそうで、お店の歴史を感じさせられるような使い古されたものでした。その機械に手をかけたおばあちゃんの表情は真剣そのものでした。

 作品番号3 『砕』

 調理場でラーメンのスープをとるために、豚肉を細く砕いている所です。それまでの、のんびりとしたおばあちゃんの表情からは想像もできないほど、テキパキとした作業になり、力強さが印象に残りました。

 作品番号4 『包』

 この写真は、ワンタンを巻いているところです。お店の自慢はこのワンタンです。私たちと笑顔で会話しながら作ってくれました。あっという間に大量のワンタンができました。おばあちゃんの職人技に思わず感動しました。

 作品番号5 『風』

 いよいよ開店準備です。私たちが夢中でシャッターを切っていると、いつの間にか、開店の時間がきていました。おもむきのある店内と対照的な赤く綺麗なのれんはこのお店のトレードマーク。今日も、ゆっくりとのれんは風にゆれ、お客さんを待っています。準備の様子とはまるで違う、いつものゆっくりとした空間、「ともラーメン」が戻ってきました。

 

 お店の建物は古く、歴史を感じさせる空間です。そこにはのんびりとした空気と、おばあちゃんの優しさが詰まっています。亡きおじいちゃんとの思い出がいっぱい詰まったお店。これからも元気でお店を続けて欲しいと思いました。

第八回民家の甲子園 特別賞 石川県立金沢二水高等学校

石川県立金沢二水高等学校 PR文

 

私たちの暮らす金沢市は、江戸時代、幕府を除いた石高1位(利家の百万石)にまで栄えました。1820年、前田斉広(なりなが)が点在していたお茶屋を集めたのが今回訪れたひがし茶屋街です。幸いにも第二次世界大戦の空襲を受けなかったため、その町並みのところどころに当時の面影を見ることができます。

私たちが素直に「残したい」「伝えたい」と感じ、思わずシャッターを切ったこの五枚を紹介します。

 

【涼音】

この日は生憎の曇天、湿度も金沢らしく肌にまとわりつくような気温。ふいに、どこからか聞こえてくる心地よく澄んだ音。その正体は、軒下の風鈴でした。家主が特別につくったというこの風鈴は、住む人々だけでなく、ただ通りすがるだけの私たちにまで、この街の風を感じさせてくれます。

 

【駄菓子屋 きむら】

だ…だれとも約束しなくても

が…がっこうが終われば

し…しぜんとあつまる

や…『やっぱここやぞいや~!』

き・む・ら!

 

【「ほれ!」】

「ほぉ~二水高校の生徒さんか!ほれ!どんどん撮りなさい」と撮影に気軽に応じていただけたのは、暑い午後の昼下がりに水撒きをしていらした民家のおじさんでした。金沢は人とのつながりや交流を大切にする心を持った人がたくさんいる、すてきな街です。

 

【すきま道】

涼しげな風が吹き抜け、どこか懐かしさを感じさせる小道。そのくねりを際立たせる影。

ひっそりとした住宅街の奥から今にも元気な子供たちが飛び出してきそうです。

 

【休み処】

ひがし茶屋街の角に佇む甘味カフェの屋根に吊り下げられた、金沢百万石の提灯の短冊が風に揺れる様子を撮影しました。初夏にも関わらず熱気を含んだ風に当たる私達を少しでも癒やしてくれているようでした。

 

 私たちの街の空気を感じていただけたでしょうか?皆さんにこの風景を伝えたいと思う以上に、私たちはファインダー越しに願っているのです。「この風景を伝承していきたい」「もっと私たちの街を愛したい」と。

第八回民家の甲子園 特別賞 滋賀県立八幡商業高等学校

滋賀県立八幡商業高等学校 PR文

 

私達は「質素倹約」をもう1つのテーマとして写真を撮りました。

撮影場所は、滋賀県の古民家が集中している五個荘町の「近江商人屋敷」です。

近江商人屋敷とは近江商人発祥の地であり、まちの各所には白壁など、当時の町並みが数多く残っています。

 

1枚目の写真からは、家や蔵を見ても分かるように決して贅沢な暮らしではありませんでした。それは、近江商人が質素倹約をモットーとしていたからです。その思いは、現在にも受け継がれています。

 

2枚目の「近江商人のぬくもり」は、近江商人が行きかう姿が目に浮かぶようなたたずまいに惹かれて撮影しました。

昔にもこのような店があちこちにあり、どこも人であふれていたのではないでしょうか。古い船の廃材を利用した木の壁からは、人と人との交流のぬくもりが伝わってきそうです。

 

3枚目の「相互扶助の面影」は、庭に置かれていた昔の消火用のポンプ車を撮ったものです。火事が起きたときにはこのポンプ車を使って近所総出で消火にあたっていたと聞きます。今では薄れてしまっている相互扶助の精神の強さが、ポンプ車を通じて垣間見えたように思います。

 

4枚目の「光の先に」は、家の中の一室で撮りました。この長持には年代物の着物が保管されていました。お屋敷の中に何かほっとするものを感じ、まるでそこだけ時間が止まっているようでした。小さな窓から差し込む光はその時代の輝きを写し出しているように見えました。

 

5枚目の「質素倹約の原点」は、今回私たちがテーマとしていた言葉にぴったりの場所でした。机と座布団だけが置いてある何も飾らない部屋なのにどこか存在感があり、私は引き寄せられました。窓からは自然の香りと共に心地よい風が吹いていました。

 

私たちは最初「風」というテーマをどのように撮影したらいいのかわかりませんでしたが、それは写し出そうとするものではなく、自然に感じるものだと気付きました。この撮影を通して近江商人が歩んできた歴史の風を感じることができました。