第十一回民家の甲子園 特別賞 愛媛県立吉田高等学校

愛媛県立吉田高等学校 PR文

 

 僕たちは、南予を盛り立てるために、力強く生き続けるものを求め取材を進めた。行き着いた場所は、宇和島市津島町御内の福田百貨店。そこは、初めて来たはずなのになぜか懐かしい不思議な場所だった。

 

この場所の何がこんな気持ちにさせるのだろうか。こどもが遊び回り、ばあちゃんたちはコタツを囲んでおしゃべりする。そう、今では感じられなくなってしまった時間の流れに包まれる。さらに、目に入るものすべてが魅力的である。黒電話、タイプライター、はだか電球。ばあちゃんたち手作りの塩むすびや豆腐、じいちゃんが取ってきた筍。すべてのものに心がひかれ、手に取ると、じいちゃんばあちゃんたちが一生懸命に働き続けてきた温もりを感じる。

 

 だが、何よりも心を掴んで放さなかったのは、ここに集まる人たちだ。大人もこどもも気さくに話ができ、何とも言えない居心地の良さがある。過ぎ行く時間もゆったりと流れる。そんな中、ひとりの少年に導かれ、福田百貨店を飛び出し、小さな街へ冒険に繰り出すことになった。古びた看板、手入れの行き届いた垣根を横目に、路地を走り、田んぼを飛び回る少年。冒険中も赤ちゃんを抱き、子守を続ける少女。そんな彼らの背中を追いかけるうち、その姿が頼もしく見えてきた。精一杯に生きる彼らの背中は大きく、力強い。

 

 空き家が目立つ小さな街で、二十年あまりが過ぎて再開された福田百貨店。そこにはこの街を愛する人や、この街の良さを知っている人が集う。そして、この街に魅了された人々が再び訪れる。だから、この店からこの街のよさが滲み出ている。

 

この街は、彼らとともに力強く生き続けていくことだろう。そう感じた僕たちも、この街に魅了されていた。この街のことを、より多くの人に伝え続けたい。