第十七回民家の甲子園 優秀賞(郡山教育長賞) 石川県立金沢錦丘高等学校

 

   今回、私たちが選んだ町は金沢市大野町。古くから醤油づくりが盛んで、醤油の町として知られている。古い町屋が軒を並べ、その町並みは「大野のこまちなみ」と呼ばれる。金沢市のHPによると、こまちなみとは「歴史を感じさせる(古)ちょっとした(小)いいまちなみ」という意味で名付けられたそうだ。

 

「響」というテーマから真っ先に音を連想し、波の音が響く港町を選んだ。しかし大野の町中を巡るうち、「心に響くもの」や「響き合う人々の想い」に目が向いた。シャッターを押すという行為は、ファインダーを覗く私たちの心に響いた証なのかもしれない。高校時代というこのひと時の中で、私たちは「響」を残していこうと思う。カメラを携えて。

  

「もろみの町」

 麹に塩水を混ぜたものをという。陸と海が出会う港町であり醤油の町でもある大野は、まさに諸味の町である。「オオノマリーナ」の文字と浮き輪が町並みに溶け込んでいた。

  

「清澄」

 醤油蔵には瓶の音が響く。充填の時を待つ瓶は、どこまでも清らかで美しかった。「清澄」には、搾りたての醤油(生醤油)を2~3日休ませるという醤油づくりの工程の意味もある。

  

「醸し蔵」

 醤油蔵に一歩足を踏み入れた途端、濃厚な醤油の香りに包まれた。江戸時代から醤油を醸造してきた蔵の中は驚くほど静かで、外の喧騒は届かない。職人は蔵で醤油と対話し、味わい深い醤油を作るそうだ。

  

「ごちそうさま」

 食堂の料理には大野醤油が用いられ、「ごちそうさま」「ありがとう」の声が響く。懐かしい味にお腹も心も満たされた。お店も町も、とても居心地がよかった。

 

 

「帰港」

 夕暮れ時、港に船の汽笛が響いていた。刻一刻と変化する空の色と、家路に向かう人々。長く大野醤油は、ここから船で全国に運ばれた。