第十三回優秀賞 (高知県教育委員会教育長賞) 高知県立安芸桜ケ丘高等学校

自然にあふれ、古い町並みが点在している東部地区を歩いてみると、新しい発見があり、大空を泳ぐ鯉のぼりもうれしそうに私たちを見下ろしていた。

 

(いきる)

硬いブロック塀に寄り添うようにひっそりと、でもどこか力強く「生きよう」

と青空に向かって伸びていた小さな花。この花に出会ったとき、私がそうであったように行き交う人もきっと、この花からあたたかな気持ちをもらっているのだろう。 カメラを向けると、はにかんだように全身をふるわせた。

 

(ちから)

 深い庇は直射光を遮り、欄間障子を開けると風がぬける工夫もされていて、普段あまり座ることのない畳の上は、とにかく居心地がいい。これが日本家屋の力というものだろうか。座敷からみる外の景色も額に収めた一枚の絵のように美しく、職人の住人への配慮と技術に驚かされた。

 

(ふたたび)

 平瓦、割れ瓦、丸瓦など形も様々なものが練り込まれた瓦塀。よく見ると屋号が刻まれていて、一つ一つに瓦職人の「うちのが一番」という心意気が感じられる。建て替えで、捨ててしまう瓦でできていると聞き、再利用という無駄のない考え方に出会ったようで、身の引き締まる思いがした。

 

(こえ)

  人は、夢や希望を持ったとき、堂々と胸を張り、空を仰ぐ。今の私は、シャッターチャンスがやって来ないことに少しあせりを感じ、うつむき加減に歩いていた。ふと、足元を見るとあるはずのない空がある。水鏡の中の空はささやいた。「乾けば消える運命だからこそ、今私は輝いている」と。二度と出会うことのないこの瞬間を私はカメラにおさめた。

 

(のぞむ)

千二百年の時を経て、今なお続く遍路旅。偶然遭ったお遍路さんは先を急ぐのか、とにかく歩くのが速い。元気そうに見えても心の奥底でもがき苦しんでいるのかも知れない。それでも歩いているということは、決して明日への希望をあきらめていないということ。その気持ちが背中を押しているように思えた。

 

 人は、何かに出会うことで、夢を見、それを形にしていく。歴史や文化もそうして培われてきた。私たちは、その夢に出会うために旅を続けよう。