第十五回民家の甲子園 街かど賞(石川市長賞) 福島県立板下(ばんげ)高等学校

     会津「青木木綿」の復活 地域がつないできたもの

 

 

 400年の歴史を持つ会津木綿は、江戸時代、会津藩主が綿花栽培を奨励したことが始まりと言われています。丈夫で、野良着や普段着として広く着用されてきました。縞模様が特徴で、凛として素朴な美しさをもつ織物です。

 会津盆地は夏とても暑く、冬は豪雪地帯。会津木綿は、夏はさらっと涼しく冬も暖かい、一年中着られる会津の生活になくてはならないものでした。

 坂下高校のある会津坂下町、特に青木集落は、阿賀川が昔よく氾濫したため、水害に強い藍が栽培され、木綿の染料として使われるようになり、会津木綿の中心的な生産地となりました。縞模様の違いでどこの集落のものかわかった当時、青木で作られた木綿は丈夫で色もあせにくいと人気があり、会津木綿の中でも特に青木木綿とよべれるようになったのです。

 しかし時代の流れと共に人々の生活は変わり、会津木綿の需要は減りました。青木木綿は30年ほど前に途絶えてしまったのです。

 

 記憶の継承は、当時を生きていた人が残っている今が最後のチャンス。その青木集落に30年眠っていた織機を譲りうけた会社がありました。整備には織機の錆を落とす作業から始まり、修理が終わるまで約一年半かかったそうです。

 昔、青木木綿を織っていた澤口福子さんに織機を見て頂いたところ、「もうすっかり忘れていたと思っていたけれど、機織を前にしたら思い出しました。」と、手が勝手に動いてカシャンカシャンと機械を動かしました。手は覚えていたのです。

 

 色柄が豊富な会津木綿は、昔ながらの縞でありながら、今の時代にも合うお洒落なものとして、再注目されています。会津のお店には懐かしさと新しさが詰まった魅力あふれる商品がたくさん並んでいます。

 

 会津の風土に必要とされ、大切につながれてきた青木木綿。一度止まったその流れを動かすのは難しい。しかし強い想いが地域の人たちを動かし、また次の時代へと流れていく。