第十六回民家の甲子園 優秀賞(四国村賞) 愛媛県立松山工業高等学校

             

     愛媛県立松山工業高等学校 おもてなしチーム

            おもてなし ~人々の笑顔が巡る場所~

 

 岩屋寺と浄瑠璃寺を結ぶ三十キロの道のりの中、歩き遍路の人々の疲れを癒す場所。それが坂本屋です。歩き遍路が盛んなころは多くの遍路宿がありましたが、時代と共にその数は減っていき、坂本屋もその一つでした。長い間廃屋同然になっていましたが、松山市と地元の方々の協力によって元の姿を取り戻しました。そして、二〇〇四年から歩き遍路の休憩所として今日まで愛されてきた坂本屋。古い梁や柱などを残しつつ、新しい木材を継いだり、添えることによって、昔の趣を残しながらしっかりとした造りになっていました。昔からの修復方法が今に受け継がれている中に時の巡りを感じました。

 

坂本地区は、もともと農村地帯で豊かな自然にあふれています。耳をすませば、川のせせらぎや動物たちの鳴き声、風に揺れる木のざわめきが聞こえてきます。辺りを見わたせば、広大な緑の中に棚田があり、その水源となる川はきらきらと輝いていました。昔の人もこの雄大な自然を感じることにより、明日への英気を養っていたのだなと思いました。景色を楽しむ心はいつの時代も変わらずに人々が持っているのです。

 

 私たちが「巡る」という言葉を聞いて最初に思い浮かんだのは、お遍路でした。実際にいくつかお寺を巡ってみると、無料の休憩所やおもてなしの場があることに気がつきました。そのおもてなしの中にも大きな巡りを感じました。現在休憩所となっている坂本屋には様々な年代、人種の人が訪れています。一日七~八人、多い時には三十人の人が訪れます。

 

海外の人も訪れる中でつたない英語ながらも精一杯の笑顔で接待をしていました。すると、自然と外国の方も笑顔に。この場所では年代や人種は関係ありません。

 

笑顔が巡る素敵な場所だと思いました。