第十六回民家の甲子園 町並み賞(香川知事賞) 兵庫県立姫路工業高等学校

 

              兵庫県立姫路工業高等学校 

 

私たちは綿を巡って綿花の栽培、藍染め、綿製品の販売、綿花を知ってもらう体験授業を行っている「棉屋」を取材しました。

 

一 火灯し頃

 

国道二号線に面して大正十年に建てられた民家が、優しい明かりを灯しています。「棉屋」の中では穏やかな時間が流れています。

 

二 百年もの

 

棉屋は大正時代に建てられたおじいさんの家を、安全性を重視しながら改築しました。昔の人の暮らしぶりを伝えたいと思い、当時の木をそのまま使っています。中には江戸時代の酒蔵から譲り受けた柱もあり、それらは今しっかりと「棉屋」を支えています。

  

三 世界にひとつ

 

染めの体験では持参した服に、染め方を工夫しながら思い思いの作品を作りました。壺からひきあげた瞬間の布は黄緑色でしたが、みるみる鮮やかな藍色に変わりました。同じ手順で染めても二つと同じものは出来ません。

 

四 綿の可能性

 

肌に優しい綿と抗菌・消臭作用のある藍染めを活かして、赤ちゃんの肌着が作られています。もっと綿を身近に感じてもらえるようにコーヒーフィルターの開発にも取り組んでおられます。

 

五 わたや善兵衛

 

「わたや善兵衛」は、店主澤田さんの愛称です。

 

染めの体験後、見せてもらった澤田さんの両手は藍色に染まっていました。強アルカリ性の藍染液を使って毎日仕事をしているため、指紋が消えてしまうこともあるそうです。笑顔で語る姿から、仕事に誇りを持っておられることを強く感じました。

 

近代的な建物や国道の騒々しい車の流れのそばに、大正時代から百年以上生き続けてきた古民家がありました。その「棉屋」の中では、綿を巡って栽培、藍染め、そして商品作りをしつつ、昔の生活の良さを知ってもらおうと体験や出前授業に力を入れておられます。ご主人の息子さんもこの活動を支えています。私たちは取材を通して変わらないもののよさとその中にも存在する変わるものの不思議さや魅力を感じることができました。ぜひ、それらを伝えていきたいと思いました。