第十回民家の甲子園 民家大賞 愛知県立田口高等学校

愛知県立田口高等学校 PR文

 

「魂とともに輝く」

 

 愛知県の北東部、奥三河の山あいにある豊根村の民家を撮影地としました。その民家は村で最も古く、山里の青々とした緑

に囲まれた家は築三〇〇年程であり、昭和二年生まれの

さんがお一人で暮らしておられます。

 部屋が十五室あるとても大きな家で、天井も二間(4m弱)と現在よりだいぶ高いため、かなり広く感じました。家のどこもかしこもとても太い木材で組まれ、しっかりとした土壁と高い天井。そして分厚く巨大な茅葺きの屋根のおかげで、昨今の暑い夏でも室温が三〇度を超すことはなく、うちわがあれば十分夏を越せるのだそうです。原発再稼働だの節電だのと巷では騒いでいますが、熊谷さん宅は本物のECOハウスだと思いました。しかし、厳しい奥三河の冬場は大変ではないかと尋ねると、「ファンヒーターがあるから大丈夫だよ」と一言。たのもしい限りです。年齢とともに、一人で家を管理することは大変だとおっしゃっていましたが、「少し不便な生活をしている方が、運動も自然にできていいよ」と、プラス思考。熊谷さんは、長い年月暮らしてきたため愛着があり、一日では語り尽くせない沢山の思い出の、ほんの一部を私たちに語ってくださいました。別れ際、「今日は若い人と話ができて、若い力をもらったよ」と、笑顔でおっしゃった一言が印象的でした。私たちが力を与えたどころか、熊谷さんの前向きな生き方を垣間見て、私たちの方が熊谷さんから「力」をいただきました。

 今回、民家の甲子園に出場したことで、地元に古くからある家屋を間近で見て、そこで生活されてきた方からお話を聞き、家、特に長い間使用されて家主の魂とともに力強く輝く、芸術的ともいえる建造物の美しさに感動しました。

 常に新しい物を追い求めてきた結果、伝統的な文化がなくなりつつある今、私たちのこの発表が文化伝承の一助となれば幸いです。