第十回民家の甲子園 特別賞 福島県立湯本高等学校

福島県立湯本高等学校 PR文 

 

あの大震災から一年が経ち、湯本高校も仮設校舎ながら平穏を取り戻しつつあります。

一枚目の『通り道』は、民家の長い廊下です。

今では、あまり見ることが少なくなってしまった長廊下ですが、震災から一年が過ぎた今、改めて家族の温かな絆がこの廊下に残っているような気がします。

ほら、今にもかつてこの家に住んでいた家族が廊下の雨戸を開き、楽しそうな笑い声やおしゃべりの声が聞こえてきませんか。

 二枚目の『極太~梁~』は、かつて酒造会社の酒蔵として使われていた建物の屋根裏です。

築百年という長い歴史をもつこの蔵は、釘を一切使用せず木組みだけで建てられており、壁は竹格子に土を吹きつけた土壁です。

柱や梁は昔の建物だけあってとても太く、先の大震災でも倒壊はおろか亀裂一つ入らなかったため、今でも民家の一部として使われています。

 三枚目の『お家の顔』は、古民家の玄関上部にある紋章です。

この紋章がある枠内は機械を使用せず手彫りのみで造られています。百年近くも風雨にさらされながらも、一度たりとも修理されず、今でも作られた当時と同様にこの家の紋章としてあり続けています。

 四枚目の『昔も今も』は、農家でとれた野菜や米を貯蔵している蔵です。

ここも以前酒蔵でしたが、天井が六m以上もあるため、夏でも涼しく民家の離れとしても使われています。会社が廃業してから数十年たってもメンテナンスを怠ることはなく、今でも使用することができます。お酒のタンクも錆びることなくずっしりとしており、地震で倒れることもなく力強く立っています。

 五枚目の『平穏な昼下り』は、いわき市の中心から約三十㎞ほど離れた農村の民家です。

山の緑が自然の強さを表し、一年前に震災があったことや放射能が高いといわれていることさえも忘れてしまうほど、美しい自然がそこには広がっています。いつもの穏やかな昼下がり、家主のおばあちゃんの目に入る、飼い猫と見慣れた風景が心を和ませます。