第十回民家の甲子園 特別賞 愛媛県立宇和高等学校

愛媛県立宇和高等学校 PR文

 

民家の甲子園に参加するにあたり、建物が住む人に与えてくれる「力」を探すこととしました。

 作品「酒造場」、宇和町内で4代100年に渡り、造り酒屋を営む「宇都宮酒造」を訪ねました。白壁作りの酒蔵は、100年の伝統に相応しい風格と美しさを備えていました。

 作品「四方方杖」、酒蔵の天井に不思議な柱を見つけました。酒蔵の柱を省略し、空間を有効に利用するための工夫、「四方方杖組」です。屋根の重さを四方に分かれた梁へ分散させてています。古くから伝承された、技術や工夫が生活を支える「力」となっていました。

作品「道草」、カーブミラーに映る小学生の姿です。小雨のなか、電信柱の周りでしばらく立ち止まり、帰っていきました。それを優しく包み込む古い街並みが、とても美しく感じられシャッターを切りました。

作品「かくれんぼ」、夕暮れの路地で、かくれんぼをする子どもたちに出会いました。お兄ちゃんたちのジャンケンを、三輪車の妹が眺める姿からは、懐かしさがこみ上げます。飾り瓦や長屋門、古い民家が子どもたちの心を育てています。

 作品「晴れ間」、夕方になり朝からの雨があがりました。造り酒屋の店先を電動カートで散歩する老婦人に出会いました。街並みが、そこへ住む人の人生を守っていました。

 今回の撮影を通して、生活の中で、子どもたちを優しく包む街並みの大切さを学ぶとともに、高齢者が安心して暮らせる街並みの必要性も学ぶことができました。街並みは、1つ1つの民家によって作られます。民家の持つ、人に対する工夫や優しさ、強さなどが、そこに住む人の生活や生命、人生の質を支える「力」であることに気付くことができました。これからも住む人と民家の関係、その意味について学び続けたいと思います。