第十回民家の甲子園 町並み賞 石川県立飯田高等学校

石川県立飯田高等学校 PR文

 

 私たちはいきなり壁にぶち当たった。今回の大会のテーマは「力」である。日本が少子高齢化への道をひた走る中、さらにその先頭を行く珠洲市。この奥能登のさいはての地に、一体なんの「力」があるというのか。しかし、珠洲には確かに「力」があった。それは珠洲が持つ、人を引きつける「魅力」である。

珠洲の魅力を具体的にするため、私たちは地酒の製造者や、珠洲に固有の珠洲焼という焼き物の窯元を取材した。そこで実際に地酒の醸造過程やろくろを回して珠洲焼を形づくる様子を見せて頂いたことは、地元に住んでいてもなかなか出来ない貴重な体験であった。取材を通じて感じたのは、彼らの珠洲に対する愛だ。彼らは珠洲に魅力を感じ、珠洲でしか作れない物を作り出している。ここでしか作れない物たちが、珠洲をいっそう魅力的にする。私たちが目の当たりにしたのはそのような正のスパイラルであった。

彼らを含め珠洲の人たちは皆、穏やかな雰囲気を持っている。が、祭りとなると一変する。誰もが心の底から祭りを楽しむ。情熱を露わにし、地域一丸の熱い塊となる。そして私は、昔から祭りが変わらずに受け継がれていることに安心する。例え一度は珠洲を離れても、きっとまた変わらないこの地へ帰って来ることが出来る、と実感する。

このような珠洲の魅力は、本当は私たちがいくらあがいても、この大会で使う写真、文章、プレゼンテーションだけではとても伝え切れないものだ。だから、どうかその身で感じて欲しい。例えばあなたが、繰り返す日常にふと疲れた時や、心の底からの感情を味わいたい時。珠洲を訪れ、穏やかな風土と穏やかな人たちに触れ、祭りという非日常を楽しんでみて欲しい。誰にとってもほっと息をつける心のふるさとのような場所であることが、珠洲のなによりの魅力である。この大会を通じて、珠洲があなたにとっての心のふるさとになるきっかけを作ることが出来れば幸いだ。